四国霊場八十八ヵ所巡礼の旅。その3 | 12番札所、焼山寺(しょうさんじ)への道はお遍路さんの難所の1つ

四国霊場八十八ヵ所巡礼の旅 3

11番札所、藤井寺を終えた私は、不安と緊張でいっぱいでした。次のお寺に向かう道が、1度目のお遍路の経験から、大変な道のりの1つだった思い出があるからです。藤井寺を出ると念のため、車のガソリンを満タンにしておきます。給油したいと思ったタイミングなのに、そんな時に限ってガソリンスタンドが無くて、焦った事が幾度かありました。そうならない様にスタンドを見つけたら、早め早めに給油しておいたほうがオススメです。藤井寺から片道33km程、県道21号線経由の約1時間の道のりです。藤井寺から山を時計回りに迂回して反対に回りその山を車であがるルートになります。ガソリン満タンの車を走らせ街並から外れ、山間部に入ると少しずつ民家も減ります。集落、川、谷、集落。しばらく行くと街並みの中に例の青看板。「12番札所、焼山寺→」三差路を右に。角に高校の分校があるのが目印です。ここから焼山寺に向かう細くて長い山道が始まります。

私は姿勢を正しハンドルを握り直します。古民家の隙間を進みます。車1台の幅しかない道なので、もし対向車が来れば、パニックです。避けようがありません。ただただ対向車が来ないことを祈るばかりです。私が不安と緊張に包まれる理由はこれです。焼山寺に着くまで、しばらく、この緊張感が続くからです。時折、2車線になったり舗装された道が出てきて、安心しますが、すぐにまた細くなったりを繰り返します。やがて林道に入ります、くねくね曲がった山道で、うっそうとした杉林に囲まれ湿り気を帯びて暗く、右に岩肌、左に急勾配の崖。車1台の幅しかない未舗装の道、ガードレールが無い所も多々あります。左にハンドルを切れば確実に落ちます。「対向車が来たら終わり」そればかりが頭の中でリピートされて、カーオーディオの曲なんか耳に入りません。ハンドル操作に必死です。そして、とうとう対向車がやって来ました。お参りを終えて降りてきた車でしょう。8人乗りのワゴン車でした。どちらも動けません。ワゴンvs軽自動車、どちらが小回り出来ますか?そうですね、軽自動車ですね。瞬時に察して私は車をバック、切り返し切り返し、バック。すれ違い出来そうな、わずかなスペースまでパニックになりながら下がりました。これが嫌だったんです。以前のお遍路では友人も同乗していたので心強かったのですが、1人で旅をするとこういう事に弱い私です。何とか、ワゴン車とすれ違い、さらに進みます。これも修行と捉えましょう。そう自分に言い聞かせます。また舗装された道が出てきました。道路の景色に、少し引きました。先日の台風のせいで、枝や杉の葉、小石で道路が覆われていたのです。普通に走ったらタイヤがパンクしそうで、やむ無くその上を、踏むというより乗り越える様に、ゆっくり車を進めます。こうして四国はさらに試練を与えてくれます。そんな道がしばらく続き、細い道、舗装された道を繰り返し、やっと焼山寺の駐車場に着きました。これだけで疲れました。
12番札所、焼山寺(しょうさんじ)
火を吐いて村人を襲う大蛇がこの山にいることを知った弘法大師が退治に向かいます。大蛇は山に火を放って妨害しますが、大蛇を山頂の洞窟に追い込み、閉じ込め。そこにお寺を建立したと言われています。

駐車場から、しばらく杉林の間の参道を進みます。砂利が敷かれ、綺麗に整備されたお寺で、参道には多くの仏様(寄贈の仏様です)が出迎えてくれます。それらに軽く会釈をしながら、進むと、最後の石段があります。振り返ると、標高が高く景色のいい山々を見ることが出来ます。

その石段の先には山門、本堂を真っ直ぐ望むことが出来ます。仏様に「待ってたぞ、よく来たな」とまた歓迎されてる様な気がしました。あらゆる困難を越えてたどり着いたがゆえに、感慨深いです。

お参りを済ませ、苦労して参って、せっかくなので、カラー版の御影札(おすがた)を頂きました。カラー版は、仏様がより美しいです。

来た道を戻り、また細い道、荒れた舗装道をやり越して、無事下界に降りました。ここを終えたら後は早い、
13番札所、大日寺
14番札所、常楽寺
15番札所、国分寺
16番札所、観音寺
17番札所、井戸寺
を無事お参りしました。ここで時間も16時30分頃、次のお寺に移動するだけで17時になりそうなので、今日はここまでにします。これから、車中泊できる場所探しです。

ここまでで、まだ1日目ですが1寺、1寺、進むにつれ心の中の濁り水が少しずつ少しずつ浄化され透き通っていく気がしました。