四国霊場八十八ヵ所巡礼の旅。その1| 四国お遍路に持って行ったものはこれ

四国霊場八十八ヵ所巡礼の旅。その1

私は兵庫県在住37歳、独身です。8月末で仕事を辞めました。いい辞め方では無かったうえに、精神的に解放された安堵感もあり、9月以降しばらくは無職のまま、ゆっくりしたいと思いました。
そして、せっかくの「大型連休」なので、普段できないことをしようと考えます。
すぐ頭に浮かんだのが、四国霊場八十八ヵ所巡礼でした。四国お遍路や、お遍路さんとも言われ四国では親しまれています。1200年の歴史があり当時は四国全体が修行の場であり修行僧が空海の歩いた地を巡ったのが原型と言われています。年間10万人ほどが巡礼をしており、この1200年、四国のどこかをお遍路さんが絶えずまわっているので正確な数字は判りません。実は5、6年前に既に、友人と二人で休みの度に車に乗ってお遍路をまわった事があります。私にはいつか、一人だけの力で(車で)通しでまわりたい。という夢がありました。それは老後にでもまた出来たらいいなと思っていた程度で、こんなにも早く夢を叶えるチャンスが舞い込むとは思いませんでした。私は迷うことなく、準備を始めました。
日用品はもちろん、着替えや、傘にカッパ。経費削減で車中泊を想定していたので布団も車に積み込みます。ちなみに車は軽自動車です。助手席をフラットにして布団を敷いて、後部座席に荷物を載せたらもう一杯です。服装は、観光やお洒落がどうこうではなく、動きやすい格好が望ましいです。1度目のお遍路で経験して判りました、山登りや、長い階段が続くお寺が多いので、もうジャージーで十分です。靴も運動靴が良いです。山道、階段がデコボコだったり、滑りやすい場所もあるので。私はランニング用のシューズを2足持って行きました。革靴なんて、もっての他です。
準備万端にして9月5 日(木)出発の日の朝、日の出前から家を出ます。兵庫県から明石海峡大橋→淡路島縦断→鳴門海峡大橋→鳴門市と車を走らせ2時間半。目的地の「一番札所 霊山寺」に到着したのは8時頃でした。各お寺の受け付け時間は7時~17時までとなっています。少し出遅れました。駐車場にはツアーバスが数台。白装束の人たちがわらわらと降りてきます。白衣(びゃくえ・はくえ)と呼ばれ、死に装束が由来の衣装です。明らかにこの現場で、私が最年少です。
この1番札所では、遍路用品が揃っていて購入できます。
主な遍路用品は

白衣(びゃくえ)2000円ほど、着るか着ないか任意です。
数珠(持参)
ろうそく、線香(100均で購入、持参)
納経帳(お遍路専用の御朱印帳)2~4000円と様々
御影帳(各寺でもらえる仏様が描かれたお札の保存用)2000円ほど
納経札(各寺に納める名刺代わりの札)300円
があれば十分です。あとは笠や杖も任意で。

白衣に袖を通すと、心地よい緊張とワクワク感で心踊ります。
足早に山門の前に向かい門を見上げて、一礼。「お久しぶりです、よろしくお願いします」そう、小さく呟きました。山門の前では左側に寄るのが良いです。真ん中は仏様の通り道なので遮ってはいけません。基本、左側通行です。山門をくぐると、まずはお清めのために水屋に向かいます。ひしゃくに水をすくい、空いた手を洗い、ひしゃくを持ち換え逆の手を、そのまま手に水をすくって、口に含みます。マナーとして、うがいはしてはいけません。口に含んで出すだけです。隣にいた、ご老人が豪快にガラガラガラガラ~ペッ!としていました。ダメです。ちなみに唇を濡らす程度でも良いみたいです。お清めが終わったら、本堂に向かいます。霊山寺は池を中心にお堂と木々が立ち並び、始まりの寺なので参拝者の白衣も真っ白で綺麗です。午前中はツアーの参拝者であふれ、初めてお遍路をスタートする方々が多くいます。本堂に着いたら、まずはろうそくに火を付けろうそく台の奥から置いていきます。手前に置くと次の人がろうそくを置けません、火傷をします。その火で線香(必ず3本、三密を表します)を灯します。間違って他人のろうそくで火を灯すと、その方の「業」を貰うことになるので気を付けます。線香も同様に奥に、真ん中から置いていきます。そして本堂に入ります、左側に御守りを販売していて、ここのおばさんが気さくで丁寧に作法や手順を教えてくれるので迷ったときは安心です。お賽銭箱の横の納札箱に納め札を1枚入れます。札には簡単な住所(○○県△△市□□町ぐらいまで)と氏名を記入しておきます。願い事があるなら、裏面や余白に書くのもいいです。これは仏様に自分を知ってもらう為の名刺代わりになります。お賽銭箱にお金をそっと入れます。投げ入れると、仏様が目の前で見ていますから失礼です。お賽銭は一律5円にしました。経費削減です。私はあらかじめ銀行で5円を大量に両替して持参しました。お堂の奥に仏様が見えるのであれば拝んでおきます。

お寺によっては、秘仏とされ御廟の奥に隠れて見えない仏様もあります。その場合だいたい御廟の前に御前立ちという仏様があり、秘仏のダミーの様な物です。一定の期間をおいて御開帳され秘仏を見れる事があれば幸運です。謙虚に仏様より頭の高さを低くします。経本と数珠を手に取り一礼。「お久しぶりです、会いに来ました。」小さく呟きます。お寺を巡る人はだいたい、会いに来たといいます。お寺に来たではなく、仏様に会いに来たといいます。その気持ちは私もよくわかります。他の参拝者の邪魔にならない様にお堂の隅に立ち、般若心経を読み上げます。仏様に届く声でしっかりと私は読み上げました。終わったら、最後に一礼。次に大師堂を参ります。弘法大師をお祀りするお堂で88ヶ所全てにあります。本堂と同じ作法で参ります。お賽銭だけで(5+5円×88ヵ所)880円掛かります。これでお参りは終わりです。最後に納経所にて納経帳に記帳してもらいます。ちゃんと経をあげた証なので必ず最後に記帳してもらいます。ちなみに1番札所では購入した時点で既に1番札所の欄だけ記帳してあるので、ここでは記帳はありません。納経帳は一律300円で記帳してもらえます。全部で(300円×88ヵ所)26400円掛かります。これもあらかじめ100円を大量に両替しておきました。大量の5円と100円、正直重かったです。記帳の際に、御影札(みえいふだ、おすがた)という札も無料で貰えます。各お寺の御本尊が描かれており、白黒です。これは仏様を直接見れなかった参拝者のための札らしく、ブロマイドみたいなものでしょうか。尚、200円を払えばカラー版の御影札が貰えます。納経帳の記帳と御影帳に札を入れれば、これで1寺終わりです。山門を出て振り返り、一礼。ありがとうございました。真っ白な白衣と線香の香りに包まれ、次のお寺に向かいます。

人それぞれの思いや理由、願いがあって四国をまわっていますが、あるお寺に張り紙がありました。「お遍路はスタンプラリーではありません」ごもっともです。そんな罰当たりな気持ちでまわるのは絶対に止めましょう。